海外安全対策情報_令和3年度第2四半期

令和3年9月1日

1 社会・治安情勢

 ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州における2021年7月から9月に発生した殺人件数は2,501件で、前年同期の2,836件から335件(11.8%)減少した。一方、レシフェ市における殺人件数は、前年同期の411件から10人増加の421件となっており、当館の近所でも強盗事件が数件発生するなど、体感治安は一向に改善されていない。ブラジル国内においても当地の治安の悪さは常に上位に位置しており、殺人発生率の高さは、主に麻薬取引とアルコール依存症に関連する犯罪が原因であるが、拳銃を使用した犯罪が多く、銃撃戦に発展する場合も多く、住民や通行人が流れ弾に巻き込まれるケースがある。また、運転マナーも非常に悪く、速度超過や信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発しており、各地で死傷者が出ている。さらに、通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内でも最悪の部類に入り、異常な交通渋滞は不要なトラブルの元にもなっている。
 
 また、レシフェ市及び大都市圏では、携帯電話販売店や薬局店を狙った武装強盗、人通りの多い場所や観光スポット周辺、路線バス、メトロ(郊外電車)車内においても、一般強盗・短時間強盗が多発している。昼夜を問わず、銃器を使用した犯罪が頻発しており、強盗と警察との銃撃戦で一般市民が被害に遭うケースは少なくなく、十分な注意が必要である。
 
 渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
 

2 レシフェ市における犯罪事例(7月~9月)

(1)8月27日午後5時40分頃、レシフェ市サントアマーロ地区のショッピングセンター内の宝くじ売り場で、警備会社の現金輸送車が数人の武装した強盗に襲撃された。警備員は現金袋を持ちショッピングセンター内の書籍店に逃げ込んだが、追ってきた犯人らと撃ち合いになり、警備員は足を撃たれた上に現金袋も奪われた。また、買い物客の1人も流れ弾で足を負傷した。
 
(2)9月22日午後2時頃、レシフェ大都市圏アブレウ・エ・リマ市(レシフェ北西17km)の商店街にあるペットショップで2人組の強盗がレジの女性店員(29歳)を拳銃で脅して現金を奪った後、店員の顔面を拳銃で撃って逃走した。同店員はレシフェ市内の救急病院に運ばれたが、同日夕刻に息を引き取った。
 

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(7月~9月)

(1)セアラ州
ア 8月20日夕刻、フォルタレーザ市エジソンケイロス地区のショッピングセンター内で拳銃を所持した2人組の強盗が宝石店を襲撃。金品を奪って逃げようとしたが、駆けつけた警備員との間で撃ち合いが発生。流れ弾によって女性店員1名が死亡、犯人らは逃走した。
 
イ 9月7日午前、フォルタレーザ市ジョゼワルテル地区で非番の文民警察官が拳銃を所持した2人組の強盗に襲撃された。オートバイを奪われそうになったが、即座に拳銃で応戦。撃ち合いとなった結果、犯人の1人が死亡、一人は逮捕された。犯人は15歳と16歳の少年であった。
 
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 7月4日午後2時40分頃、ナタル大都市圏パルナミリン市コトベロ海岸で、サンパウロ市から観光で来ていた48歳の男性が車に乗ろうとしたところ、拳銃を所持した強盗に襲撃された。同人は車内にいた実母と恋人を守ろうと抵抗したため、胸部を撃たれた。犯人は何も盗らずに逃走、同人は市内の病院に運ばれたが死亡した。
 
イ 9月9日夜、ナタル大都市圏イエルモ・マリーニョ市(州都ナタル西方37km)郊外の路上で父娘が2人組の強盗に襲われた。父は娘を守ろうと抵抗したため、拳銃で撃たれ即死。犯人らは何も盗らず逃走した。
 
(3)パライーバ州
ア 8月31日午後、ジョアンペソア市エピタシオペソア通りの携帯電話販売店で、客を装った強盗が拳銃で店主を脅して金品等を奪おうとしたが、居合わせた客の1人が拳銃で強盗を殺害した。
 
イ 9月24日未明、ジョアンペソア市アルトドマテウス地区のガソリンスタンド内のATMが完全武装した4人組の男に爆破された。犯人らはATMから現金を取り出し逃走した。
 
(4)アラゴアス州
ア 8月12日未明、マセイオ市タブレイロ・ド・マルチン地区の交差点で、信号待ちしていた乗用車が3人組の強盗に襲われた。運転していた女性は車から逃走。犯人らはそのまま車を奪って逃げた。
 
イ 9月7日午後、マセイオ市グラシリアノ・ラモス地区で26歳の男性が、オートバイに給油するためガソリンスタンドに寄ったところ、2人組の強盗に拳銃で脅され、オートバイを奪われそうになり抵抗したところ、銃で臀部を撃たれた。犯人らは何も盗らずに逃げた。
 
(5)セルジッペ州
ア 8月30日午後、州都アラカジュ市からの中距離バスがサン・クリストバン市近郊を走行中にバス強盗が発生。乗客で非番の軍警巡査と強盗の間で撃ち合いが起き、犯人グループの1人と乗客の女性1人が被弾。その後犯人グループは全員逮捕された。
 
イ 9月6日夜、アラカジュ市スイッサ地区の路上で強盗事件が発生、現場を通りかかった非番の警官と犯人の撃ち合いとなった結果、犯人が被弾し死亡した。
 
(6)バイア州
ア 7月3日午後8時30分頃、サルバドール市スチエピ地区の商店に3人組の強盗が押し入って店員及び客を床に伏せさせ、レジから現金を奪って逃走した。
 
イ 7月25日夜、サルバドール市ピラジャ地区でバス強盗が発生、乗客の1人がカバンを開けようとしたため犯人らに銃で殺害された。その後犯人らは逃走した。他の乗客1人が流れ弾に当たり病院に運ばれた。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

5 誘拐・脅迫事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

6 対日感情

 対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。
 

7 日本企業の安全に係わる諸問題

 管轄内における当該諸問題は発生していない。
 

8 邦人の被害事例

管轄内における被害の発生は確認されていない。
以上