海外安全対策情報 令和3年度第3四半期
令和4年1月4日
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2021年内に発生した殺人件数は合計3,370件で、前年の3,758件から380件(10.1%)減少した。他方で、レシフェ市における殺人件数は、前年の561件から1件増加の562件となっており、この数字は人口10万人あたりに対し33.8人と、日本全体の約49倍にものぼるため、体感治安上も改善されているとは感じられない。当地の治安の悪さはブラジル国内においても常に上位に位置しており、殺人発生率の高さは、主に麻薬取引とアルコール依存症に関連する犯罪が原因であるが、拳銃を使用した犯罪が多いこと、また、度々銃撃戦に発展することにより、住民や通行人が、流れ弾によって死傷するといったことも要因として挙げられる。また、当地の交通事情においても、運転マナーが非常に悪く、速度超過や信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発しており、各地で死傷者が出ている。さらに、通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内でも最悪の部類に入り、異常な交通渋滞は不要なトラブルの元にもなっている。渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
2 レシフェ市における犯罪事例(10月~12月)
(1)10月15日~10月19日の間に、レシフェ市内のサイクリングロードおよび公園等で高級自転車を狙ってサイクリストを襲う強盗事件が連続して発生した。(2)11月11日午後1時30分頃、レシフェ市マダレナ地区アントニオルセナ街で学生(男性、24歳)とその妹(20歳)が買い物へ行く途中で、拳銃を所持した2人組の強盗に襲われた。犯人らは携帯電話を要求したが男性は抵抗したため、拳銃で首を討たれて即死した。犯人らは逃走した。
3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(10月~12月)
(1)セアラ州ア 10月27日夜、フォルタレーザ市イタペリ地区の住宅街で、非番の警察官が拳銃を所持した3人組の強盗に襲われた。犯人らは被害者から乗用車のキーと携帯電話を奪った。同日、市内パランガーバ地区で軍警が盗難車を発見し、被疑者2名を逮捕した。
イ 11月27日午前、フォルタレーザ市パサレ地区の路上で複数の通行人から金品を奪った2人組の強盗が、何者かに拳銃で殺害された。
ウ 12月16日夜、フォルタレーザ市ビラペリ地区の路上店で、電話中の男性(48歳)が、拳銃を所持した2人組の強盗に携帯電話を奪われそうになったため抵抗したところ、拳銃で射殺された。犯人らは被害者の携帯電話を奪って逃走した。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 10月14日午前、ナタル市内のシダデサテリテ団地で、男性が3人組の強盗に襲われて車のキーを奪われた。被害者は隙を見て犯人らに向けて拳銃を発砲し、撃ち合いとなった結果、犯人らの1人が被弾したが、被害者の車で逃走した。
イ 11月17日正午過ぎ、ナタル市ラゴアノーバ地区とジャグアラリ通りとジャイロチノコ街が交差する付近の薬店駐車場で、50歳男性が自分の車から降ろした商品を同店内に運び込もうとしたところ、拳銃を所持した3人組の強盗に襲われた。男性は、商品を犯人らに渡してその場から離れようとしたが、犯人の1人に拳銃で胸を撃たれ、薬店に逃げ込んだがその場で死亡した。犯人らは被害者の車で逃走した。
ウ 12月13日午後、サンパウロからの旅行者一家が、乗用車でセアラミリン市のジャクマン湖からの帰り道で、道路にもうけられた徐行区間で車を減速したところ、拳銃を所持した覆面の2人組の強盗に襲撃された。被害者は車で逃走しようと試みたが、犯人らの発砲により運転手の男性が被弾した。男性はそのまま近くの簡易診療所まで運転し、そこから救急車でナタル市内の病院に運ばれて手当てを受けたが、命に別状はなかった。
(3)パライーバ州
ア 10月2日午後、ジョアンペソア市ベッサ地区の商店が、拳銃を所持した2人組の強盗に襲撃され、同店のレジおよび買い物客から金品が奪われた。
イ 11月9日午後、ジョアンペソア市ベッサ地区で、男性が車から降りようとしたところ3人組の強盗に襲われた。犯人らは、男性を乗せたままその車を使用して市内2か所(エスタード地区およびパドレゼ地区)で通行人から携帯電話および金品を奪った。犯人らは車とともに同市イペ地区で男性を解放した後、逃走した。
ウ 12月9日正午過ぎ、ジョアンペソア市クルスダスアルマス地区で、オートバイに乗った男性が交差点で停止したところ、拳銃を所持した強盗に襲われ、抵抗したところ足を撃たれた。犯人は何も盗らずに逃走、被害者は救急車で病院に運ばれた。
(4)アラゴアス州
ア 10月19日午前、マセイオ市ファロル地区フェルナンデス通りの薬局に強盗が押し入り、店員と買い物客を拳銃で脅して金品を奪おうとしたところ、休暇中のマセイオ市警巡査が入店し事件に遭遇、犯人に拳銃を向けつつ店員らを解放するよう促した。犯人は巡査の説得を聞き入れて、通報により駆け付けた警官隊に逮捕された。
イ 12月20日未明、マセイオ市ベネジトベンテス地区の路上で、女性2人(20歳および19歳)が強盗に襲撃されてハンドバックを奪われたほか、1人が足を拳銃で撃たれた。
(5)セルジッペ州
ア 11月15日午前、アラカジュ市シメオンソブラル通りを運行中の市内バスで強盗事件が発生、乗客の1人が抵抗し頭部を撃たれた。同人はかすり傷程度で命に別状はなかったが、犯人は逃走した。
イ 12月17日午後、アラカジュ発リベイロポリス行の都市間バスの車内で、アラカジュ市を通過したところで強盗に襲撃され、犯人が乗客らを拳銃で脅して携帯電話および金品を強奪し逃走した。
(6)バイア州
ア 10月24日午後8時30分頃、サルバドール市サンタルジアドロバート地区でスブルバーナ通りをパリペ地区方面へ運行中の市内バスで、乗客に紛れていた約15人の強盗が乗客を脅して携帯電話、ハンドバックおよび現金等を奪い、同バスを停車させて逃走した。
イ 11月24日、サルバドール市内で3件のバス強盗が発生した。
- 午前5時20分頃、コウトス地区でスブルバーナ通りを運行中の市内バスで、2人組強盗が乗客から金品を奪い、バスの運転手を拳銃で脅して停止させた。犯人らは逃走したが、乗客らは犯行に使用した拳銃がモデルガンであると気づいたため、犯人らを追跡し捕らえた。
- 午前8時頃、コウトス地区でACM通りを運行中の市内バスで、拳銃を所持した強盗が乗客から金品を奪い逃走したが、軍警のパトカーに発見され、撃ち合いとなった結果、犯人は逃走した。
- 午前8時頃、ノーバブラジリア地区からバハ地区に向かう市内バスで、拳銃を所持した2人組みの強盗が、乗客および車掌から携帯電話および現金等を奪った。
ウ 12月午後8時20分頃、サルバドール市カンデアル地区のマンションビルの前で、車から降りた男性が、拳銃を持った2人組の強盗に襲われた。同人は携帯電話、ラップトップパソコンおよび携帯電話を奪われ、犯人らは被害者の自家用車で逃走した。
4 テロ爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。5 誘拐・脅迫事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。6 対日感情
対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。7 日本企業の安全に係わる諸問題
管轄内における当該諸問題は発生していない。8 邦人の被害事例
管轄内における被害の発生は確認されていない。以上