海外安全対策情報 令和3年度第4四半期
令和4年4月12日
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2021年内に発生した殺人件数は合計3,370件で、前年の3,758件から380件(10.1%)減少した。他方で、レシフェ市における殺人件数は、前年の561件から1件増加の562件となっており、この数字は人口10万人あたりに対し33.8人と、日本全体の約49倍にものぼるため、体感治安上も改善されているとは感じられない。当地の治安の悪さはブラジル国内においても常に上位に位置しており、殺人発生率の高さは、主に麻薬取引とアルコール依存症に関連する犯罪が原因であるが、拳銃を使用した犯罪が多いこと、また、度々銃撃戦に発展することにより、住民や通行人が、流れ弾によって死傷するといったことも要因として挙げられる。また、当地の交通事情においても、運転マナーが非常に悪く、速度超過や信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発しており、各地で死傷者が出ている。さらに、通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内でも最悪の部類に入り、異常な交通渋滞は不要なトラブルの元にもなっている。渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
2 レシフェ市における犯罪事例(1月~3月)
1月22日午後、レシフェ市サンマルチン地区の商店で拳銃強盗がレジの店員を脅して売上金等を奪って逃走した。2月22日午後7時56分、レシフェ市ジャルジンサンパウロ地区ピラシカバ通りのパン店が拳銃を所持した2人組の強盗に襲われた。犯人らはレジの現金および買い物客の金品を奪って逃走した。
3月18日正午、レシフェ市ロザリオ地区カルロスペレイラ街の歩道で、買い物帰りの女性がオートバイに乗った2人組の強盗に襲われてネックレスおよび指輪を奪われた。
3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(1月~3月)
(1)セアラ州セアラ州
ア 1月9日未明、フォルタレーザ市イラセマビーチ地区ジョゼアベリノ街で女性旅行者が強盗に襲われた。被害者は顔を殴られ金品を奪われた。
イ 1月11日午後、フォルタレーザ市アルデオータ地区パドレアントニオトマス通りを走行中の市内バスで、女2人が刃物で乗客を脅して金品を奪っていたところ男性客と格闘になった。男性客は胸などを刺されてケガをした。犯人らは他の乗客らに取り押さえられ警察に逮捕された。
ウ 2月11日夜、フォルタレーザ市ベンフィカ地区で、ケータリングサービスの配達員が配達先の玄関で背後から別会社の配達員を装った男に拳銃を突き付けられ、携帯電話などを奪われた。
エ 3月1日夜、フォルタレーザ市ファチマ地区アグアナンビ通りを走行中の市内バスで、強盗が発生し、22歳の男子学生が鞄を奪われそうになった。学生が抵抗したため、強盗は学生に向けて数発撃ったが弾は当たらなかった。犯人は何も盗らずに逃走した。
オ 3月15日夜、フォルタレーザ市ジョゼワルテル地区でケータリングサービスの配達員が強盗に襲われてオートバイを奪われそうになり、抵抗したため拳銃で殺害された。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 1月5日午後、ナタル市シダジアルタ地区デオドロダフォンセッカ通りにある洗車センターが2人組の強盗に襲われた。店主(56歳男性)は抵抗したため、拳銃で殺害された。犯人らは携帯電話等を奪って逃走した。
イ 2月10日夜、ナタル市ラゴアノーバ地区ドトールラウロピント街で、50歳男性が運転する車を一時停止させた際、拳銃を所持した強盗に襲われた。男性は車外に引きずり出されて左ひざを撃たれた。犯人は被害者の車を奪って逃走、警察が数分後に乗り捨ててあった同車を発見したが現金等の入った鞄は無かった。
ウ 3月16日午後8時頃、ナタル市ノルデステ地区の住宅街で、47歳男性が自宅前でオートバイに乗ってきた2人組の強盗に襲われたため、家の中へ逃げ込もうとしたところ、頭部を拳銃で撃たれて殺害された。犯人らは何も盗らずに逃走した。
(3)パライーバ州
ア 1月15日夜、ジョアンペソア市マナイラ地区サペ通りにあるレストランの前で、50歳男性がオートバイに乗ってきた2人組みの拳銃強盗に襲われた。たまたま現場を通りかかった男が強盗に向かって発砲、撃ち合いとなり、冒頭の男性は流れ弾により右足を負傷した。
イ 1月25日午後5時30分頃、ジョアンペソア市バレンチン地区の歯科医院に拳銃を所持した強盗が押し入り、事務員および患者らを床へ腹ばいに寝かせた上、子供たちを診察室に閉じ込めて全員から金品を奪って逃走した。
ウ 2月25日夜、サンタヒッタ市(州都ジョアンペソアの西隣)の住宅街で、夫妻と息子1人が帰宅したところ、家の中に拳銃を所持した2人組の強盗がいた。夫(37歳)が強盗の1人に殴りかかったため頭部を撃たれて殺害された。犯人らはパソコン2台と現金1,300レアルを奪って逃走した。
エ 3月8日夜、ジョアンペソア市バレンチナ地区で拳銃と刃物を持った3人組の強盗が塀を乗り越え民家に押し入った。犯人らは、被害者一家4人を縛り上げ、殴る蹴るなどの暴行を加えた後、自転車、テレビ、衣類、音響器具等を奪って逃走した。
(4)アラゴアス州
ア 1月12日午後、マセイオ市タブレイロドマルチンス地区で停車中の市内バスに2人組の強盗が乗り込んで乗客から金品等を奪った。しかし、持っていた拳銃がモデルガンだと乗客に気付かれたため慌ててバスを降りて近くの墓地に隠れたところ、警備員らに取り押さえられ、警察に引き渡された。
イ 2月9日午前8時頃、マセイオ市ファロル地区トマスエスピンドラ通りのブラジル銀行支店を数名の強盗が襲った。強盗らは現金および警備員の銃3丁を奪って逃走した。
ウ 3月6日夜、マセイオ市シダデウニベルシタリア地区において、自家用車で帰宅した女性が門に入ろうと運転席側の窓ガラスを開けたところを、拳銃を所持した強盗に襲われた。女性は拳銃をもぎ取ろうとしたため胸と腕を撃たれた。犯人は何も盗らずに逃走、その後女性は救急病院に運ばれ一命をとりとめた。
(5)セルジッペ州
ア 1月9日午後、アラカジュ市インドゥストリア地区の市営民芸品センター(同市の観光スポット)で手工芸品店の経営者が、刃物を所持した2人組の強盗に襲われ、レジの現金および携帯電話等を奪われた。
イ 3月7日午前、アラカジュ市アタライア海岸のイベント公園裏の砂浜で、女性が刃物を所持した強盗に胸部を刺され、自転車および金品等を奪われた。被害者は肺に達する深手を負い、病院で手術を受けた。
ウ 3月13日夜、アラカジュ市タンクレドネベス通りを走行中の市内バスで強盗事件が発生、犯人と乗客との間で撃ち合いとなり、女性と犯人が被弾した。2人は病院に運ばれたが、犯人を撃った乗客の身元は分かっていない。
エ 3月11日午後8時過ぎ、アラカジュ市サンタマリア地区の交差点でオートバイに乗った女性(49歳)が信号で停止したところ、拳銃を所持した2人組の強盗にオートバイを奪われそうになった。女性は逃げようと試みたが背中を撃たれ転倒、通行人等が救助に当たったが、救急車の到着前に死亡した。
(6)バイア州
ア 1月10日正午前、サルバドール市ラデイラデモンタニャ地区を走行中の市内バスで、拳銃を所持した強盗が乗客全員から金品を奪い、バスを停車させて逃走した。
イ 2月20日午前、サルバドール市ラルゴデタンキ地区を走行中の市内バスで、強盗事件が発生した。犯人は乗客数人から携帯電話等を奪い、運転手にバスを停車させて逃走した。
ウ 2月22日午後7時頃、サルバドール市イタイガラ地区で、自宅前で親類の見送りをしていた男性が、拳銃を所持した複数の強盗に襲われた。犯人らは、自動車、自転車および金品等を奪って逃走した。
エ 3月9日夜、サルバドール市サンカエタノ地区で拳銃を所持した数人の男が、道路のハンプ(減速帯)設置場所で自動車が減速した隙を見て取り囲み、運転手を脅して金品等を奪った。
オ 3月24日午後5時30分頃、サルバドール市とカマサリ市を結ぶ州道535号線でバス強盗が発生、乗客の1人が射殺された。
4 テロ爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。5 誘拐・脅迫事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。6 対日感情
対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。7 日本企業の安全に係わる諸問題
管轄内における当該諸問題は発生していない。8 邦人の被害事例
管轄内における被害の発生は確認されていない。以上
上