海外安全対策情報 令和4年度第1四半期

令和4年7月29日

1 社会・治安情勢

 ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2022年4月から6月に発生した殺人件数は893件で、前年同期の851件から42件(4.9%)増加した。また、州都レシフェ市における殺人件数も153件と、前年同期の141件から12件(8.5%)増加している。強盗事件は、州全体では12,974件(前年同期比0.4%)、また、レシフェ市では4,704件(前年同期比1.1%)とそれぞれ微増となった。今年に入ってからコロナ禍の規制が徐々に緩和され、人の往来がコロナ禍以前に戻りつつあるとともに犯罪も徐々に増加傾向にある。また、殺人等凶悪犯罪の発生件数の観点から観た当地の治安は、ブラジル国内においても常に悪い部類に位置している状況に変化はなく、依然として注意が必要である。殺人発生率の高さは、主に麻薬取引とアルコール依存症に関連する犯罪が原因であるが、拳銃を使用した犯罪が多いこと、また、度々銃撃戦に発展することにより、住民や通行人が、流れ弾によって死傷するといったことにも起因する。交通事情については、当地は運転マナーが非常に悪く、速度超過、信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発している。さらに、通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内でも最悪の部類に入り、不要なトラブルの元にもなっているため、運転するときはもちろん、歩行者の立場であっても、十分な注意が必要である。

 渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
 

2 レシフェ市における犯罪事例(4月~6月)

4月6日午後9時頃、レシフェ市バホ地区の民家に、強盗らしき2人組の男が侵入した。この家に住む13歳の少年が強盗を発見し、台所にあった包丁で切りつけたが、逆に拳銃で撃たれた。少年の母親と義父が騒ぎを聞いて2階から駆け降りてきたところ、母親は頭を撃たれ即死、義父は手を撃たれた。犯人らは何も盗らずに逃走した。

5月5日午前10時40分頃、レシフェ市サンマルチン地区ドンエスペジトロペス街で、テレビ局が街頭ロケをしていたところ、右一行の運転手が自転車に乗った男に携帯電話を奪われた。犯人はそのまま逃走した。

6月4日午後、レシフェ市ボア・ビアージェン地区のマンション内の駐車場で、2人組の拳銃を所持した強盗が住人を脅して車を奪った。
 

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(4月~6月)

(1)セアラ州
ア 4月23日夜、フォルタレーザ市メイレレス地区で、3人組の強盗が停車中の乗用車を奪い、女性運転手を後部座席に拘束したまま逃走した。その後、州治安当局の防犯カメラ監視センターが乗用車を発見、軍警のパトカーが同市モンテゼ地区で乗用車を停止させたところ、運転席の男がパトカーに向け拳銃を発砲。撃ち合いの末に、男は警官に撃たれて負傷し、残り2名も逮捕され、被害者は無事解放された。

イ 5月27日午後、フォルタレーザ市サピランガ地区で、郵便配達員に扮した強盗が民家の呼び鈴を鳴らし、家の中から出てきた男に拳銃のようなものを突き付けて押し入ろうとした。男は咄嗟に門を閉めて外に逃走したところ、強盗は立ち去った。

ウ 6月5日夜、フォルタレーザ市アマデウフルタード地区で、非番の軍警巡査が自家用車から降りたところ、近づいてきた乗用車から出てきた男に拳銃を突き付けられた。巡査は咄嗟に拳銃を発砲。男は胸部に被弾し、車で逃走したが、巡査も腹部に被弾した。翌6日、男は市内の病院で死亡、巡査は命に別状はなかった。

(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 4月21日午前、ナタル市カロベルトフレイレ通りの2か所のバス停で、数人の乗客がオートバイに乗った2人組の強盗に金品を奪われた。被害者らは即座に警察に通報し、犯人らはナタル市郊外の国道101号線で軍警に逮捕された。携帯電話等の盗品及び模造拳銃が押収された。

イ 5月17日午後、ナタル市ピチンブ地区プルデンテデモライス通りのアクセス道路のバス停で、女子高校生(16歳)が拳銃を所持した強盗に襲われた。女子高生は抵抗したため、犯人が拳銃を発砲、弾は当たらなかったが、犯人は被害者の顔面を殴り逃走した。

ウ 6月24日午前9時頃、ナタル市アレクリン地区ジョゼベント街で、開店前の商店に2人組の強盗が押し入った。強盗は店員を縛り上げて店内を物色していたところ、同店の主人が出勤してきたため、犯人の1人が主人に向け発砲した。その後強盗は店外で待機していた乗用車で逃走、同店主人は右腕に被弾し、市内の救急病院に運ばれた。

(3)パライーバ州
ア 4月20日午後8時20分頃、ジョアンペソア市クルスダスアルマス地区で、オートバイに乗った男(24歳)が信号待ちをしていたところ、2人組の拳銃を所持した強盗に襲われた。男は抵抗し、太ももや脛などを3発撃たれた。犯人らは何も盗らずに逃げ去った。被害者の生命に別状なし。

イ 5月19日から20日にかけて、ジョアンペソア大都市圏において、4件の銃器を使った事件が連続して発生した。19日正午頃、ウーバーの運転手が乗客に扮した強盗に背後から撃たれた。同19時頃、36歳の男がオートバイに乗った男に撃たれ、また同20時頃には2人の男が撃たれた。更に、20日未明、男が強盗に遭遇、左手を撃たれた。

ウ 6月8日午後、ジョアンペソア市マンガベイラ地区で、3人組の拳銃を所持した強盗が貴金属店を襲い、客の1人(非番の軍警警察官)と格闘になり、通報で駆け付けた警官隊と撃ち合いになった。その結果、犯人の1人が撃たれて病院に運ばれ、残り2人は逃亡した。

エ 6月13日午後7時頃、ジョアンペソア市コスタエシルバ地区の国道101号線のバス停で、51歳の男(刑務官)が、拳銃を所持した2人組のオートバイに乗った強盗に襲われた。男は犯人の1人を撃ったが、本人も腹部を2発撃たれて病院に運ばれた。

(4)アラゴアス州
ア 4月18日午後、マセイオ市ベネヂトベンテス地区で、帰宅途中の男が車で信号待ちをしていたところ、拳銃を持った2人組の強盗に前を塞がれた。男は車を発進させてその場を逃れようとしたため、強盗は発砲し男は足に被弾した。その後、同人は自力で救急病院まで運転し、手当てを受けた。

イ 5月18日夕方、マセイオ市セントロ地区のテナントビル3階の貴金属店で、拳銃を所持した4人組(男3人、女1人)の強盗が、客に扮して入店し、商品及び客や店員の携帯電話を奪って逃走した。

ウ 6月7日夜、マセイオ市リオノーボ地区で、31歳の男(ウーバーの運転手)が、乗客に扮した強盗に射殺された。警察は、被害者の配車履歴等から、犯人2名(19歳)を逮捕した。犯人は金銭を奪い取る目的で配車サービスを呼んだが、金がないと言われたことに腹を立て殺害した由。

(5)セルジッペ州
ア 5月8日火曜日夜、ラガルト市マティーニャ地区の住宅で、27歳の男と、5歳の子供が銃撃された。被害者は友人と一緒にいたところ、突然現れたフードをかぶった犯人に撃たれた。同犯人が逃走したのち、被害者は病院に運ばれたが、男は死亡した。

イ 5月23日午前、アラカジュ市ブジオ地区で、ケータリングサービスの配達員が、拳銃を所持した強盗に襲撃され、オートバイ及び携帯電話を奪われた。

ウ 6月19日、アラカジュ市北区ブギオ地区のヘベールビアナ通りで、15歳の少年が二人組の男に追いかけられた後、拳銃で何発も撃たれ射殺された。また、犯人は事件を目撃していた付近の住民にも発砲し、3人が病院に運ばれた。

(6)バイア州
ア 5月11日夜、サルバドール市ムスルンガ地区の路上で、自転車に乗っていた男が、2人組の拳銃を所持した強盗に、携帯電話と自転車を奪われた。犯人は徒歩で逃走したところ、パトロール中の軍警隊員に発見され、撃ち合いとなったがそのまま逃走した。

イ 6月1日夜、サルバドール市トロロ貯水池公園で、自転車に乗っていた24歳の男が、2人組の拳銃を所持した強盗に殺害された。犯人は被害者の自転車を奪って逃走した。

ウ 6月10日夜、サルバドール市ピットゥーバ地区をパトロール中の軍警車両が、車両の強盗被害者から通報を受けて捜索中、オタビオマンゲイラ通りで被害車両を発見、強盗3名と銃撃戦となり、強盗は全員死亡した。軍警は拳銃3丁、銃弾、盗品の携帯電話6台及び大麻2袋を押収した。

エ 6月21日から翌22日まで、サルバドール市内で9件のバス強盗が発生した。本年、同市では既に444件のバス強盗が発生している。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

5 誘拐・脅迫事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

6 対日感情

 対日感情は良好。
 

7 日本企業の安全に係わる諸問題

 管轄内における当該諸問題は発生していない。
 

8 邦人の被害事例

 6月7日(火)20時30分頃、邦人2名がボア・ビアージェン海岸を散歩していたところ、後ろから来た2人組の男に拳銃の様な物で脅され、スマートフォン等を奪われた。1名は腕をつかまれてポケットからスマートフォンを抜きとられ、もう1名は、別の犯人から首に拳銃の様な物を突きつけられ、スマートフォンを要求された。2人がおとなしく要求に従ったため、犯人はスマートフォン等を奪い、そのまま逃走した。邦人2名に怪我はなかった。

以上