海外安全対策情報の更新(令和5年度第2四半期)

令和5年10月26日

社会・治安情勢

  ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2023年7月から9月の期間に発生した殺人件数は合計904件で、前年同期の683件から221件(32.36%)の増加、州都レシフェ市では135件が発生し、前年同期の116件から19件(16.38%)とどちらも大幅に増加した。一方、強盗事件は、州全体では10,124件が発生し、前年同期の12,770件から2,646件(20.72%)の減少、州都レシフェ市では4,027件が発生し、前年同期の4,937件から910件(18.43%)減少した。殺人事件の増加については、60%以上が麻薬密売の紛争が動機であり、警察による掃討作戦の増加、取り締まりの強化への反発等が影響していると思われる。反面、警察の活動が活発化したことが影響したことにより、強盗件数は大幅に減少した。当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、住民や通行人が流れ弾によって死傷するといった事案も度々発生しているため、万が一銃声が聞こえたらその場から離れる、移動の際には頭を低くして車両や建物の陰に隠れながら行うなどの自己防衛を心がけたい。また、強盗件数は減少しているとはいっても、依然として治安が改善しているとは言えず、特にスマートフォンを狙った強盗事件は増加している。最近では外国人旅行者の被害報告も増加しているため、屋外でのスマートフォンの使用は非常に危険である。従来どおり貴金属や高級時計を身につけての外出、多額の現金を持ち歩くなどの行為も非常にリスクが高く、必要以上は持ち歩かない、どうしても必要なときは分散して所持する等の対策は必須である。危険を感じた場合には、その場から早急に立ち去る、人気の少ない場所には近づかないことが肝要であり、万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従う、など心がけることで、受傷する危険を軽減することができる。観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。
 
渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
 

2 レシフェ市およびその近郊における犯罪事例(6月~9月)

(1) 7月21日午後4時頃、レシフェ市テジピオ地区ドウトールシルバフィーリョ街で、子供連れの夫婦が乗った乗用車が一時停止したところ、拳銃を所持した3人組の強盗に襲われて乗用車を奪われた。

(2)  8月26日午後7時50分、レシフェ市トヘオン地区マレシャルデオドロ街のスーパーマーケットで、覆面をした4人組の拳銃を所持した強盗に襲われてレジの売上金を奪われた。

(3)  9月12日午後5時11分、レシフェ大都市圏オリンダ市シダデタバジャラ地区の商店に3人組の拳銃を所持した強盗が押し入って同店の売上金を強奪して逃げた。
 

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(6月~9月)

(1)セアラ州

ア 7月20日午後、フォルタレーザ市ジョゼデアレンカール地区エリゼウアギアール街で、妻の勤務先に妻を迎えに行った男性(49歳)が、勤務先から妻の出てくるのを待っていたところ、強盗らしき2人組の男に銃で殺害された。犯人らは何も盗らずに逃げた。

 8月29日午後、フォルタレーザ市モンテーゼ地区の歩道で、元警察官の男性がオートバイの後部座席から降りてきた少年(15歳)に拳銃で撃たれた。同男性が拳銃で応戦したため少年は逃げたが数時間後に逮捕された。同男性は病院で手当てを受けた。

ウ 9月6日午前、フォルタレーザ市タクレッドネベス地区にある私立学校の前で、職員が給料支払いのための現金10万レアルが入ったバッグを強盗に奪われた。12日、同校の職員及び共犯者2名が逮捕された。
 

(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州

ア 7月4日午後、ナタル大都市圏パルナミリン市セントロ地区の家電修理店が、拳銃を所持した2人組の強盗に襲われ、店主と犯人の1人が撃ち合いとなった結果、両者は負傷し病院に搬送された。他の犯人1人は逃走した。

イ 8月23日午前、ナタル大都市圏パルナミリン市ノーバパルナミリン地区の民家で、配達人を装った男が小包を届けに来たと偽って門を開けさせたところで他の犯人2人と民家に押し入り、家の者2人をトイレに閉じ込め、テレビ等の家電製品を奪った後、外に待機していた乗用車に積み込み逃走した。被害者は配達人が被害者宅の住所、電話番号及び住人の氏名等を知っていたため疑うことなく家の門を開けてしまった由。

ウ 9月12日午後遅く、ナタル市レジニャ地区の美容院が、拳銃を所持した男女の強盗に襲われた。しかし、美容院の前を通りかかった何者かが犯人らに拳銃を発砲したため、強盗は未遂に終わった。犯人は男が負傷し病院に運ばれ、女は警察署に連行された。
 

(3)パライーバ州

ア 7月12日早朝、ジョアンペソア市フンシオナリオ地区で、男性が出勤のため自宅から出たところを3人組の男が拳銃で脅し家の中に押し入った。男らは夫婦の結婚指輪、携帯電話2台、テレビ2台、パソコン1台及びその他金品を奪い車で逃走した。

イ 8月7日午後5時48分、ジョアンペソア市ジョアンパウロ2世地区で、夫婦が納車したばかりの車を自宅前で強盗に奪われた。

ウ 9月4日夜、ジョアンペソア市フンシオナリオ地区で、ゴミを出しに行った男性が、男2人と女2人の拳銃を所持した強盗に襲われ、家に押し入られた。犯人らは携帯電話、家電製品及びオートバイ等を小型トラックに積み込み逃走した。
 

(4)アラゴアス州

ア 7月6日午前、マセイオ市クルスダスアルマス地区で、給油中だった男性がオートバイに乗ってきた拳銃を所持した2人組の強盗に襲われた。男性は車の中にあった4万レアルを奪われた上、腹部を撃たれた。

イ 8月10日夜、マセイオ市ドゥルバルデゴイスモンテイロ通りで、ジョギングをしていた男性(49歳)がオートバイに乗ってきた拳銃を所持した2人組の強盗に襲われた。男性は後部シートの男が突き付けた拳銃を素手で奪い取ろうとしたため、強盗が発砲、被害者は指にけがを負った。犯人らは何も盗らずに逃げた。

ウ 9月12日朝、マセイオ市ポッソ地区のパン店で、2人組の強盗が店主を拳銃で脅してレジの現金及び携帯電話を奪った。
 

(5)セルジッペ州

ア 7月8日午前、アラカジュ市工業地区3番街で、文民警察の一団が銃器密売関係の捜査を行っていたところ、犯人らと出くわし、撃ち合いとなり、犯人ら4人が死亡した。

イ 8月10日未明、アラカジュ市アタライア海岸通りで、文民警察の警部が強盗に遭い拳銃を奪われた。
 

(6)バイア州

ア 7月27日夕方、サルバドール市カルサーダ地区の看護士学校前のバス停で、女子生徒がオートバイの2人組の強盗に襲われた。同校の警備員が駆け付けて犯人らを撃ったが、女子生徒も顔を撃たれて病院に搬送された。

イ 8月20日未明、サルバドール市ロバート地区サンチッシモトゥリンダージ街で、オートバイの男性が一時停止したところを強盗に襲われた。同男性は急発進して逃げようとしたが銃で撃たれ、男性は病院に運ばれる途中で死亡した。

ウ 9月1日午前1時頃、サルバドール市リオベルメーリョ地区サンタナ広場で、サンタカタリーナ州から来たブラジル人観光客が3人組の強盗に囲まれて、携帯電話、腕時計及び財布を奪われた。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

5 誘拐・脅迫事件発生状況

管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

6 対日感情

対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。

7 日本企業の安全に係わる諸問題

管轄内における当該諸問題は発生していない。

8 邦人の被害事例

管轄内における邦人被害は報告されていない。
 
以上。