海外安全対策情報 令和4年度第2四半期

令和4年10月26日

1 社会・治安情勢  

 ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2022年7月から9月に発生した殺人件数は合計683件で、前年同期の820件から137件(16.7%)減少した。また、州都レシフェ市における殺人件数も、前年の130件から13件(10.0%)減少の117件が発生し、どちらも減少した。強盗事件は、州全体で12,597件発生し、前年同期の12,984件から387件(2.98%)減少したが、州都レシフェ市では前年同期の4,737件から144件(3.0%)増加し、4,881件が発生した。今年に入りコロナウイルス対策関連の規制が徐々に緩和され、人の往来がコロナ過以前に戻ることに伴い、殺人件数は減少傾向にあるものの、当地の殺人発生率は世界的にみても高い水準で推移している。また、人口が集中する都市部においては強盗の発生件数が増加しており、治安が改善されておらず、当地の治安の悪さは相変わらずブラジル国内においても上位に位置しているため引き続き注意が必要である。この犯罪発生率の高さは、主に麻薬取引とアルコール依存に起因する犯罪となっているが、拳銃を使用した事案が多く、度々銃撃戦に発展し、住民や通行人が、流れ弾によって死傷するといったことも発生している。当地の交通事情としては、運転マナーが非常に悪く、速度超過や信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発しており、各地で死傷者が出ている。さらに、通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内でも最悪の部類に入り、不要なトラブルの元にもなっている。
 
 渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
 

2 レシフェ市における犯罪事例(7月~9月)

(1)7月8日午後9時、レシフェ市ボア・ビアージェン地区バロン・デ・ソウザレオン街のバス停(当館から5kmの地点)で、バスを待っていた3人の女性が強盗に襲われハンドバック等を強奪された。
 
(2)8月4日午後7時15分頃、ボア・ビアージェン地区ドナ・ベンビンダ・デ・ファリアス街にあるガソリンスタンド併設の野外飲食店(当館から1.5kmの地点)で、2人乗りのオートバイから降りてきた男が客の男性(40歳)を拳銃で10発ほど撃って逃走した。同男性は内8発を被弾し死亡、一緒にいた女性(40歳)及び客の1人(女性)が流れ弾で負傷し近くの診療所に搬送された。事件発生時は音楽の生演奏が行われており、他に20人ほどの客がいた。
 
(3)9月24日午前11時44分、レシフェ市コルデイロ地区ペレイラ・デ・モラエス街104番地で、2人組の強盗が民家前に停車していた車のドライバーから車を奪い逃走した。
 

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(7月~9月)

(1)セアラ州

ア 7月27日夜、フォルタレーザ市ベンフィカ地区で、2台のオートバイに分乗した4人組の強盗が商店を襲撃した。近くにいた非番の軍警警官と強盗は撃ち合いとなり、内1人が被弾するも全員が逃走。警官も右腕に軽傷を負い病院で手当てを受けた。
 
イ 8月13日夜、マラカナウ市(州都フォルタレーザの南隣)パジュサラ地区の飲食店前で、男性4人が何者かに銃撃され全員病院に運ばれた。
 
ウ 9月26日午前0時過ぎ、フォルタレーザ市アエロランジア地区カピトンオラボ街で、女性(27歳)が自家用車で友人を送り届けた後、オートバイに乗った2人組の強盗に拳銃を突き付けられた。同女性は車を急発進して逃れようとしたため数発撃たれ、病院に搬送されたが、9月29日に死亡。強盗は同女性の持ち物を奪い、オートバイで逃走した。

(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州

ア 7月9日未明、ナタル市シダジ・サテリテ地区の民家に、拳銃を所持した強盗が侵入した。強盗は物音で起きてきた住民の男性(21歳)を拳銃で殺害し、同男性の母親の左腕を撃ったうえ、オートバイを奪って逃走した。
 
イ 8月12日午前9時30分頃、ナタル市パジュサラ地区サントイネス団地の敷地内で、男性(46歳)がオートバイに乗った強盗に拳銃で襲われた。同男性は抵抗し、首を撃たれた。強盗は何も盗らずに逃走。同男性は住民に助けを求めたが救急車が到着する前に死亡した。

ウ 9月1日午前2時頃、カングアレタマ市(州都ナタル南方78km)で、大口径の小銃等で武装した強盗団(人数不明)がブラジル銀行支店と軍警の分署を包囲、軍警と撃ち合いとなったが、銀行のATMを爆破して現金を強奪、更に帰宅途中の製糖工場作業員11人を人質に取り、盾にし車で逃走した。
 

(3)パライーバ州

ア 7月19日午後、コンデ市(州都ジョアン・ペソア南方25km)の観光スポット、コケイリニョス海岸の展望台で、観光客のグループが強盗集団に襲撃され、金品、携帯電話、パスポート及び指輪等を奪われた。
 
イ 8月6日午前11時30分頃、ジョアン・ペソア市タンバウ地区アントニオ・リラ通りで、買い物に行く途中の高齢者夫妻が、自転車に乗った男に拳銃のようなもので脅され、身に着けていたアクセサリー等を奪われた。
 
ウ 9月14日午後8時30分頃、ジョアン・ペソア市マンガベイラ地区の市立小中学校で、成人向け授業の最中に2人組の拳銃を所持した強盗が侵入、警備員を襲って拳銃、防弾チョッキ及び携帯電話を奪い逃走した。
 

(4)アラゴアス州

ア 7月25日夜、マセイオ市の中心街で銃撃戦が発生、死者2名、負傷者2名及び逮捕者2名を出す事態となった。
 
イ 8月15日夜、マセイオ市リオラルゴ地区で、配車サービスの乗客に扮した3人組(男2人、女1人)の強盗が、ドライバー(女性27歳)を絞殺し、現金180レアル、携帯電話、カーステレオ及びスペアタイヤを奪った。

ウ 9月27日夜、マセイオ市バホドゥロ地区のバス停で、男性が拳銃を所持した強盗に襲われ携帯電話を奪われそうになった。同男性は抵抗したため右足を撃たれた。犯人は何も盗らずに逃走、被害者は救急病院に搬送され手当てを受けた。
 

(5)セルジッペ州

ア 7月17日夜、アラカジュ市ルジア地区の公園で、強盗の前科を持った男が2人組に拳銃で殺害された。

イ 8月4日午後、アラカジュ市シダデ・ノーバ地区で、2人組の国勢調査員が拳銃を所持した強盗に襲われ、業務用タブレット端末と携帯電話を奪われた。

ウ 9月16日午前、アラカジュ大都市圏のノッサ・セニョーラ・ド・ソコーホ市で、通学途中の女子中学生が強盗に襲われた。同女子中学生は抵抗し、腹部に刃物による傷を負った。犯人は何も盗らずに逃走、被害者は病院に搬送され手当てを受けた。

(6)バイア州

ア 7月26日午後1時30分頃、サルバドール市ピトゥーバ地区アマゾナス街で、下校途中の中学生4人がオートバイで現れた拳銃を所持した強盗に襲撃され、携帯電話および通学リュックを奪われた。
 
イ 8月25日朝、サルバドール市イタプアン地区の高級リゾートホテルで、プールサイドで日光浴中の宿泊客(29歳、男性)が、砂浜に通じる出入口から侵入した男に拳銃で殺害された。犯人は外で待機していた乗用車で逃走した。
 
ウ 9月11日午前、サルバドール市ジャルジン・ノーバ・エスペランサ地区で、自動車強盗と警官の撃ち合いが発生。付近の住民男性(49歳)が自宅前の歩道で流れ弾をうけ、病院へ搬送された。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

5 誘拐・脅迫事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。
 

6 対日感情

 対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。
 

7 日本企業の安全に係わる諸問題

 管轄内における当該諸問題は発生していない。
 

8 邦人の被害事例

 管轄内における被害の発生は確認されていない。
 
以上