海外安全対策情報 令和5年度第4四半期
令和6年8月17日
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2024年1月から3月の期間に発生した殺人件数は合計989件で、前年同期の873件から116件(1.13%)の増加、州都レシフェ市では220件が発生し、前年同期の138件から82件(1.6%)とどちらも増加した。一方、強盗事件は、州全体では11.549件が発生し、前年同期の12,934件から1,385件(0.9%)の減少、州都レシフェ市では4,650件が発生し、前年同期の5,304件から674件(0.87%)減少した。殺人事件の増加については、60%以上が麻薬密売の紛争が動機であり、警察による掃討作戦の増加、取り締まりの強化への反発等が影響していると思われる。反面、警察の活動が活発化したことが影響したことにより、強盗件数は大幅に減少した。当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、住民や通行人が流れ弾によって死傷するといった事案も度々発生しているため、万が一銃声が聞こえたらその場から離れる、移動の際には頭を低くして車両や建物の陰に隠れながら行うなどの自己防衛を心がけたい。また、強盗件数は減少しているとはいっても、依然として治安が改善しているとは言えず、特にスマートフォンを狙った強盗事件は増加している。最近では外国人旅行者の被害報告も増加しているため、屋外でのスマートフォンの使用は非常に危険である。従来どおり貴金属や高級時計を身につけての外出、多額の現金を持ち歩くなどの行為も非常にリスクが高く、必要以上は持ち歩かない、どうしても必要なときは分散して所持する等の対策は必須である。危険を感じた場合には、その場から早急に立ち去る、人気の少ない場所には近づかないことが肝要であり、万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従う、など心がけることで、受傷する危険を軽減することができる。観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
2 レシフェ市及びペルナンブコ州における犯罪事例(1月~3月)
(1) 1月3日夜、レシフェ市グラッサ地区カルデアルアルコベルデ街のハンバーガー店で4人組の強盗が複数の客から携帯電話を奪った。(2) 2月8日夜、レシフェ市北隣のオリンダ市旧市街のカーニバルで最も賑わうカルモ地区クアトロカント街で2人組の強盗が男性の観光客を襲ったところ拳銃で撃たれ1人は死亡、他1人が負傷した。
(3) 2月9日早朝、レシフェ市サントアントニオ地区コンジデボアビスタ通りでスペイン在住でブラジル国籍の旅行者が強盗に襲われた。男性は抵抗したため刃物で刺され携帯電話等の金品を奪われた。
(4) 2月11日夜、オリンダ市バラドウロ地区ジョアキンナブコ街のガソリンスタンド併設のコンビニ店でカーニバル特有の仮装をした何者かが店主を拳銃で殺害して逃亡した。
(5)2月14日午前1時頃、リオデジャネイロ州から観光で来ていた35歳の男性がカーニバル最終日で賑わうオリンダ市から友人らとレシフェ市ボアビアージェン地区の宿泊先に戻った後、近所のレストランへ1人で歩いて行く途中、強盗に遭遇、格闘の挙句に刃物で殺害された。
(6)3月16日午後7時20分、レシフェ市ジョルドン地区プロフェッソーラアルセリノカマラ街で男子中学生が車両強盗と警官隊の撃ち合いによる流れ弾で死亡した。
(7)3月29日午後4時30分頃、レシフェ市コルデイロ地区で女性ドライバーが一時停止したところ、2人組の拳銃強盗に車を奪われた。犯人らの車は軍警のパトカーに追跡されボアビアージェン地区ドミンゴスフェレイラ通りでタイヤを撃ち抜かれて停止、犯人らは逮捕された。
3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(1月~3月)
(1)セアラ州
ア 1月14日夜、フォルタレーザ市ファチマ地区を走行中の市内バスで2人組の女が乗客(63歳、男性)を刃物で脅して金品を奪おうとしたが抵抗されたため胸部を刺した。犯人らは次の停留所で降りて逃走したが翌15日未明に警察に逮捕された。被害者の男性は病院で死亡した。イ 2月26日夜、フォルタレーザ市プラナルトピシ地区のフィットネスクラブで3人組の拳銃強盗が利用者数名から携帯電話等の金品を奪って逃走した。
ウ 3月12日午前、フォルタレーザ市サンジョアンドタウアペ地区ウンベルトデカンポス街で登校中の女子児童2人が自転車に乗ってきた拳銃強盗に通学鞄を奪われた。
エ 3月27日午後9時40分頃、フォルタレーザ市ジョアキンタボラ地区カストロアルベス街で若い女性が自動車を道路わきに停めたところ、3人の強盗に襲われて自動車ごと連れ去られ、数時間後に解放された。警察は事件の詳細を公表しなかった。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 1月11日午前0時過ぎ、ナタル市ポンタネグラ地区でオートバイの2人組が通行人を拳銃で脅し金品を奪った。通報を受けた警察のパトカーが追跡、ビアコステイラ通りで犯人らと撃ち合いになりオートバイは転倒、犯人らは死亡した。イ 2月19日午後、ナタル市ポンタネグラ地区ビラコステイラ通りでサンパウロ州から観光で来ていた夫婦者が刃物を持った強盗に遭遇し携帯電話と金のネックレスを奪われた。数時間後、警察が犯人(19歳、男)を逮捕した。
ウ 3月4日午後2時頃、ナタル市ロカス地区の宝くじ売り場が3人組の拳銃強盗に襲われた。犯人らは客と従業員から所持品を奪い取って逃走した。
エ 3月21日午後、ナタル市カンデラリア地区で道路わきに停めてあったトヨタ・ハイラックスが車上荒らしの被害に遭った。犯人らは電子装置を使ってアラームとドアロックを解除する手口で高級車を狙う常習犯の2人組で警察が以前からマークしており翌22日に逮捕された。
(3)パライーバ州
ア 1月15日正午前、ジョアンペソア市マンガベイラ地区にあるショッピングセンターで電気会社の工事人を装った2人組の拳銃強盗が宝石店を襲った。なお、同月12日、同ショッピングセンターではフードコートにあるレストランの採用試験に不合格となった男が同店の支配人(39歳、女性)を拳銃で殺害するという事件が発生したばかりであった。イ 2月10日未明、カーニバル期間中のジョアンペソア市バラドウロ地区で2組のグループがカーニバルのパレードに参加した帰り道で拳銃強盗に襲われところ抵抗したため男性1人が殺害された。なお、同じグループに混じっていた非番の警官と犯人とで撃ち合いになり、警官は負傷、強盗は死亡した。文民警察の所轄署は正当防衛により同警官を起訴しない模様。
ウ 3月15日夜、ジョアンペソア市バレンチナ地区で男性が待ち合わせの場所で自動車から降りたところ銃で殺害された。男性は体中に15発の弾丸を受けて即死した。
エ 3月30日午後、ジョアンペソア市ベッサ地区マリノデオリベイラ街で23歳の男性が銃で殺害された。目撃者によれば犯人はオートバイに乗った2人組で警察によれば殺された男性には殺人と麻薬密売の前科があった。
(4)アラゴアス州
ア 1月26日夕方、マセイオ市サンタルシア地区の路地でオートバイに乗った2人組の強盗が女性2人から携帯電話及びハンドバッグを奪ったが多数の通行人に捕らえられリンチされかけていたところ、通報を受けた警察官らに保護・逮捕された。イ 2月19日夜、マセイオ市ジャチウカ地区でオートバイの2人組が強盗をはたらいていたところ、偶然通りかかった非番の警官に撃たれた。犯人の1人は逃亡、他の1人は足を撃たれて動けなくなり逮捕された。
ウ 3月9日夜、マセイオ市シダデウニベルシタリア地区で2人組の強盗が若い男性から奪ったオートバイで逃走、パトカーに追跡されて転倒、1人は逃げたが他の1人は警官に撃たれて死亡した。
(5)セルジッペ州
ア 1月17日正午過ぎ、アラカジュ市フランシスコポルト通りの携帯電話販売店で拳銃を持った3人組がレジ係りの店員を脅してレジスターから現金を奪って逃げた。イ 2月3日夜、アラカジュ市ラマロン地区2人組の男と警官隊の銃撃戦が発生、2人とも死亡、内1人は指名手配中であった。
ウ 3月14日午後、アラカジュ市のバスターミナル付近で遭遇した強盗から逃れるために大通りを横切ろうとした男性が自動車に撥ねられて死亡した。
(6)バイア州
ア 1月9日午後、サルバドール市ブロッタス地区ドンジョアン6世通りで女性が銀行支店から預金を降ろして出たところ5000レアルが入ったハンドバッグを拳銃強盗に強奪された。イ 2月27日夜、サルバドール市イタカラニャ地区の民家の門前で男性と少年がオートバイで乗り付けた2人組に拳銃で撃たれて金品を奪われた。
ウ 3月31日午前、客船の乗客である夫婦者がサルバドール市内を観光中、旧市街のラデイラダプラッサで3人組の拳銃強盗に襲われた。抵抗した夫が撃たれて右肩を負傷した。犯人らは何も盗らずに逃げたがパトロール中の警官が1人を逮捕した。
4 テロ爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。5 誘拐・脅迫事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。6 対日感情
対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。7 日本企業の安全に係わる諸問題
管轄内における当該諸問題は発生していない。8 邦人の被害事例
3月にレシフェ市ピナ地区のビーチにて日本人旅行者がパスポート、財布の入ったバッグを置き引きされた。以上