海外安全対策情報の更新(令和5年度第1四半期)

令和5年7月19日

1 社会・治安情勢

  ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2023年4月から6月の期間に発生した殺人件数は合計852件で、前年同期の895件から43件(4.80%)の減少、州都レシフェ市では143件が発生し、前年同期の152件から9件(5.92%)減少した。また強盗事件は、州全体では12,520件が発生し、前年同期の13,337件から820件(6.13%)の減少、州都レシフェ市では4,233件が発生し、前年同期の4,824件から591件(12.25%)減少した。数値上治安は改善されているが、新型コロナウイルスの旅行者に対する規制が撤廃された頃から、外国人観光客が被害に遭ったという話を多く耳にするようになった。最近では邦人旅行客の被害報告も急増しているため、十分に注意していただきたい。当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、住民や通行人が流れ弾によって死傷するといった事案が度々発生している。また、ブラジル国内ではスマートフォンを狙った強盗事件が多発しており、盗まれたスマートフォンから銀行口座アプリを操作され、現金を送金されるといった2次被害も増えてきている。強盗の手口も、集団で囲い込んで暴行を加える、背後から跳び蹴りして転ばせるなど、先に危害を加えた上で奪い取るといった凶悪な手口が増えてきているため、屋外でのスマートフォン使用は非常に危険である。強盗は土地勘がなく、地図アプリや配車アプリを路上で確認する機会の多い旅行者を狙っていることは明らかであり、現地人から見れば旅行者であるかどうかはすぐにわかってしまうため、特に注意してもらいたい。従来どおり貴金属や高級時計を身につけての外出、多額の現金を持ち歩くなどの行為は非常にリスクが高く、必要以上は持ち歩かない、どうしても必要なときは分散して所持する等の対策は必須である。危険を感じた場合には、その場から早急に立ち去る、人気の少ない場所には近づかないよう心掛け、万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従うことで、受傷する危険を軽減することができる。観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。
 
  渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
 

2 レシフェ市における犯罪事例(4月~6月)

(1) 4月18日午前10時40分頃、レシフェ市エスピニェイロ地区サント・エリアス街のマンションで住人が自家用車で帰宅し、駐車場ゲートが開くのを待っていたところ、乗用車で乗り付けた2人組の強盗に襲われ自家用車を奪われた。

(2) 5月8日午前5時10分頃、レシフェ市グラッサ地区ルイ・バルボーザ通りで通勤途中の女性がハンドバッグを強盗に奪われた。

(3) 5月28日早朝、レシフェ市ピーナ地区の砂浜でサッカーをしていた27歳の男性が銃で撃たれ、現場に赴いた軍警第19大隊の警官らにより市内の救急病院に搬送された(後日死亡)。ペルナンブコ州軍警が犯人の逃走先とみられたピーナ地区の団地で未成年者を殺人未遂で逮捕、犯人は容疑を認めている。なお、犯人宅からは40の小袋に分けられた乾燥大麻、精密計量器及び事件現場から逃走のために盗んだ自転車が押収された。
 

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(4月~6月)

(1)セアラ州

4月14日夜、フォルタレーザ市サン・ジョアン・ド・タウアペ地区で、21歳の男性が自家用車で自宅を出ようとしたところ、2人組の男に行く手を遮られた。同男性は車を急発進させたため、男らは乗用車に向けて拳銃を発砲した。犯人らは何も盗らずに逃走、被害者は2発の銃弾をうけ、病院に搬送され、命はとりとめたものの脾臓と腎臓の片方を失った。

5月15日夜、フォルタレーザ市プレジデンテ・ケネディー地区の路上で、私服の同市警巡査が4人組の強盗に拳銃を奪われた。数時間後にセアラ州軍警のパトロール隊が犯人らを発見、同巡査の拳銃を回収した。

6月4日午後5時30分頃、フォルタレーザ市メッセジャーナ地区で、走行中の乗用車から歩道に向かって銃を乱射する事件が発生した。その結果1人が死亡、5人と乳児1人が負傷し病院に搬送された。
 

(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州

5月19日午前8時頃、パルナミリン市の内科診療所の前で、出勤してきた女性が強盗に刃物で脅されて金品を奪われた上、腹部を刺された。犯人は逃走し、同女性は同市の救急病院に運ばれて手当てを受けた。

5月21日午後8時頃、ナタル市ネオポリス地区アイルトン・セナ通りで、拳銃を所持した4人組の強盗が飲食店に押し入り、店内の客から携帯電話等金品を奪った。強盗はさらに40メートル先にある別の飲食店も襲撃し、客から金品を奪おうとしたが、女性客に抵抗されて発砲、弾は女性客の横にいた男性(60歳)の胸部に当たった。犯人らは客から奪った車で逃走、被害者は救急車で病院に搬送された。

6月12日午後9時頃、ナタル市アイルトン・セナ通りで、アプリ送迎車が信号待ちをしていたところ、脇に止まった乗用車から降りてきた3人組の強盗が乗りこんで来た。送迎車のドライバーは命じられるままに車を走らせたが、同市アベル・カブラル通りで、助手席の犯人から銃を奪おうとしたため右足を撃たれた。犯人らは車から降りて徒歩で逃げたが、内2名は軍警のパトロール隊にすぐに逮捕された。犯人の1人は殺人容疑で指名手配中であった。
 

(3)パライーバ州

4月25日午後6時30分頃、ジョアン・ペソア市バラドウロ地区の長距離バスターミナル付近の路上で、2人組の男が道路の反対側にいた2人の男に対し拳銃を乱射、1人は背中を2発撃たれて即死、もう1人は胸を撃たれ病院に運ばれた。犯人らは逃走、殺害された男は麻薬類と高額の現金を所持していた。

5月23日午後9時から翌24日午前1時までにジョアン・ペソア市で殺人1件及び殺人未遂3件が発生した。

(ア) 23日午後9時頃、クリスト地区で男性(24歳)が自宅に着いたところ、乗用車から降りてきた男2人に銃で撃たれた。被害者は救急病院に運ばれた。

(イ) 同日午後11時頃、マンダカル地区貧民街の路上で、32歳と43歳の男性が4人組の男に銃で撃たれた。被害者は2人とも重傷を負って病院へ運ばれた。

(ウ) 24日午前1時頃、ベネザ地区で2人組の強盗が飲食店に押し入った。店主(68歳)は抵抗したため殺害された。

6月19日午前、ジョアン・ペソア市ベッサ地区の海岸で釣りをしていた男性(33歳)が2人組の男に背後から拳銃で6発撃たれて殺害された。犯人らは乗ってきたオートバイで逃走した。被害者は窃盗の罪で服役していたが3か月前から仮釈放の身であった。
 

(4)アラゴアス州

4月23日夜、マセイオ市ジャチウカ地区でオートバイに乗った配達員が民家の前に停まったところ駐車していた乗用車の陰から出てきた2人組の強盗に襲われた。配達員は抵抗したため銃で殺害された。犯人らは被害者のオートバイで逃走した。

5月5日午後、マセイオ市ベネジト・ベンテス地区の団地で男性(18歳)がオートバイに乗った2人組の強盗に襲われた。犯人らは何も盗る物がないので腹いせに男性の腕を銃で撃って逃げた。
 

(5)セルジッペ州

4月16日未明、アラカジュ市ポント・ノーボ地区コスタ・エ・シルバ団地付近を走行中の乗用車がオートバイの後部座席に乗った男に拳銃を向けられたため加速して逃げたところ、乗用車を運転していた男性は右肩を撃たれた。アウグスト・フランコ通りまで運転を続け軍警のパトカーに保護されて病院に運ばれた。

5月23日朝、アラカジュ市ブジオ地区で、配達を終えた男性が強盗に銃で撃たれ、オートバイと携帯電話を奪われた。

6月15日午後、アラカジュ市サン・ジョゼ地区の2人組の拳銃強盗が商店を襲い、抵抗した店員に発砲、客の1人が犯人を撃った。他の犯人は逃げたが直ぐに軍警により逮捕され、負傷した店員と犯人は病院に運ばれた。犯人を撃った客については不明。
 

(6)バイア州

4月22日午後、サルバドール市ペロリーニョ地区(観光スポット)でルーマニア人旅行者2名が物取りと格闘になり顔や手を負傷した。犯人らは何も盗らずに逃げた。なお、事件現場はツーリスト警察署の近く(約140mの距離)で発生した。

5月22日午前、サルバドール市グラッサ地区で信号待ちをしていた乗用車が2人組の強盗に襲われて、運転していた69歳の男性が腕と胸部を拳銃で撃たれた上、乗用車を奪われた。被害者は病院に運ばれた。

6月7日午後、サルバドール市カイシャ・ダ・アグア地区で若い女性が短時間誘拐の被害に遭った。被害者は犯人らに乗用車の後部座席に押し込まれて連れ去られ、キャッシュカードの暗証番号を教えるよう強要されたが、一時停止した隙を見て車から飛び降りて逃げた。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

5 誘拐・脅迫事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

6 対日感情

 対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。

7 日本企業の安全に係わる諸問題

 管轄内における当該諸問題は発生していない。

8 邦人の被害事例

 管轄内における邦人被害は報告されていない。
 
以上