海外安全対策情報の更新(令和6年度第1四半期)
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2024年4月から6月の期間に発生した殺人件数は合計842件で、前年同期の852件から10件(0.98%)の増加、州都レシフェ市では135件が発生し、前年同期の143件から8件(0.94%)と、こちらは減少した。一方、強盗事件は、州全体では10,156件が発生し、前年同期の12,520件から2,364件(0.81%)の減少、州都レシフェ市では4,575件が発生し、前年同期の4,233件から342件(1.08%)増加した。殺人事件の増加については、60%以上が麻薬密売の紛争が動機であり、警察による掃討作戦の増加、取り締まりの強化への反発等が影響していると思われる。反面、警察の活動が活発化したことが影響したことにより、強盗件数は大幅に減少した。当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、住民や通行人が流れ弾によって死傷するといった事案も度々発生しているため、万が一銃声が聞こえたらその場から離れる、移動の際には頭を低くして車両や建物の陰に隠れながら行うなどの自己防衛を心がけたい。また、強盗件数は減少しているとはいっても、依然として治安が改善しているとは言えず、特にスマートフォンを狙った強盗事件は増加している。最近では外国人旅行者の被害報告も増加しているため、屋外でのスマートフォンの使用は非常に危険である。従来どおり貴金属や高級時計を身につけての外出、多額の現金を持ち歩くなどの行為も非常にリスクが高く、必要以上は持ち歩かない、どうしても必要なときは分散して所持する等の対策は必須である。危険を感じた場合には、その場から早急に立ち去る、人気の少ない場所には近づかないことが肝要であり、万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従う、など心がけることで、受傷する危険を軽減することができる。観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
2 レシフェ市及びペルナンブコ州おける犯罪事例(4月~6月)
(1)4月26日午前4時30分頃、レシフェ市内の州立救急病院で入院患者が警備員から拳銃を奪い同警備員を殺害し逃走しようとしたが病院の外で他の警備員と撃ち合いになり死亡した。
(2)5月24日午後6時30分頃、レシフェ市イプチンガ地区で夫婦者が2人組の強盗に車を奪われた。目撃者が車で追跡、数分後に犯人らが乗った車は運転を誤って横転、犯人の1人が即死、他の1人は逃走した。
(3)6月23日夜、レシフェ市アフォガド地区コスメビアナ街で17歳の高校生が自転車で買い物に行く途中、2人組の中学生らしき少年に自転車を奪われた際に左わき腹を刃物で刺された。被害者は友人らに病院へ運ばれたが死亡した。
3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(4月~6月)
(1)セアラ州
ア 4月1日午前0時頃、フォルタレーザ市ファチマ地区アグアナンビ―通りの陸橋を走行中の市内バスで強盗が発生、男性の乗客と犯人が格闘中にバスのドアが開いて2人は13メートルの高さから転落、男性は即死、犯人は重体で病院に運ばれた。なお、犯人は昨年4月に強盗で逮捕され裁判所から執行猶予が言い渡されて足首に電子監視装置を装着していた。
イ 5月3日午後、フォルタレーザ市メッセジャーナ地区ペドラ街で送迎アプリのドライバーが客に扮した強盗に刃物で首を刺されて車を奪われた。被害者は病院に運ばれたが死亡した。
ウ 6月21日夜、フォルタレーザ市モルンビン地区のピザレストランの店先で待機していた配達用員(23歳、男性)が3台のオートバイで乗り付けた3人組に拳銃で殺害された。男性客1人が流れ弾に当たり死亡した。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 4月18日午後2時30分頃、ナタル市ラゴアノーバ地区チタニオ街で女性が車に乗り込もうとしたところ、3人組の男に車から引きづり出された。犯人らは女性の車を奪ってそのまま逃走した。
イ 5月28日午前2時、ナタル市パジュサラ地区の市立診療所の入り口で強盗が患者1名と同診療所の職員1名から携帯電話を奪って逃げた。
ウ 6月21日夜、ナタル市コロネルエステバン通りを走行中の市内バスで強盗が乗客から金品を奪い運転手を脅してバスを停車させて逃亡した。すぐに数人の乗客に追いつかれ集団暴行を受けて死亡した。
(3)パライーバ州
ア 4月2日午前4時頃、ジョアンペソア市ルイカルネイロ通りのマンションビルから出てきた乗用車が3人組に囲まれそうになったため急発進して逃げ伸びた。車体は拳銃で撃たれ数か所に穴が開いた。
イ 5月9日夜、ジョアンペソア市マンガベイラ地区のピザレストランで店主が何者かに銃で殺害された。被害者は頭部6発、背中2発及び腕1発の合計9発撃たれた。
ウ 5月23日夜、ジョアンペソア市ガイゼル地区で男性2人は乗っていた車が故障したので路肩に停めたところ、2人組の強盗に襲われ、銃で撃たれた。
(4)アラゴアス州
ア 4月25日午後、マセイオ市ジャチウカ地区ベラアフーダ街を走行中の市内バスで2組の強盗が拳銃のような物で乗客を脅して携帯電話及び金品を奪いジョアンダビノ通りでバスを停車させて逃亡した。同バスの乗客は通行人に警察への通報を依頼、犯人らは直ぐに逮捕され、犯行に使ったモデルガンを所持していた。
イ 5月20日夜、マセイオ市サントスドモン地区で通行人が車から降りてきた男に拳銃で脅されて携帯電話を奪われそうになったため逃げたが臀部を撃たれた。被害者は病院に運ばれた。
ウ 6月11日午前5時頃、マセイオ市サンタマリア地区のアスレチックジムに拳銃を持った男が押し入り、支配人から携帯電話等を奪って逃げた。
(5)セルジッペ州
ア 4月16日午前1時30分頃、アラカジュ市エルメスフォンテス通りで送迎アプリのドライバーが客に扮した2人組の強盗に誘拐されイナシオバルボーザ地区の民家に監禁された。別の3人が被害者の車で、被害者から奪ったデビットカードを持って付近のATMに向かったところ交通事故を起こし、パトロール中の警官の制止を無視して逃走したが同日早朝に逮捕された。被害者は警察により解放された。
イ 5月17日午前、アラカジュ市内でバスの乗客から携帯電話を奪った強盗犯は警官に追われて同市ラマロン地区の民家に押し入って住人を人質に取った。犯人は警官らの説得に応じず警官らと撃ち合いとなり死亡した。人質は解放された。
ウ 6月27日午前、アラカジュ市でパトロール中の警察車両が盗難車を発見、追跡したところ、同市アメリコ地区で犯人は車を捨てて逃走、途中で人質を取って警官らと撃ち合いとなり死亡した。人質も銃弾で負傷し病院へ運ばれた。
(6)バイア州
ア 4月13日、サルバドール市コウトス地区アフラニオペイショート通りで男性(48歳)が2人組の強盗に銃で撃たれてオートバイを奪われた。被害者は病院に運ばれたが死亡した。
イ 4月23日午後、サルバドール市パリペ地区スブルバーナ通りのスーパーマーケットの駐車場で男性が銃で殺害された。男性は模造拳銃を携帯していた。
ウ 5月16日、サルバドール市内のバイア州議会議事堂の前で強盗未遂事件が発生、男性が拳銃強盗にオートバイを奪われそうになったが銃を持っていたため撃ち合いとなり犯人は何も盗らずに逃げた。、
エ 6月20日、サルバドール市ジャケイラドカルネイロ地区で長距離バスが国道324号線で乗客2名を下したところ2人組の拳銃強盗が乗ってきた。犯人らは乗客から携帯電話等の金品を奪って逃げた
4 テロ爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。5 誘拐・脅迫事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。6 対日感情
対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。7 日本企業の安全に係わる諸問題
管轄内における当該諸問題は発生していない。8 邦人の被害事例
管轄内における邦人被害は報告されていない。以上