海外安全対策情報の更新(令和6年度第2四半期)

令和6年10月25日

1 社会・治安情勢

   ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2024年7月から9月の期間に発生した殺人件数は合計804件で、前年同期の843件から39件(4.6%)の減少、州都レシフェ市では143件が発生し、前年同期の135件から8件(5.9%)と、こちらは増加した。一方、強盗事件は、州全体では10,736件が発生し、前年同期の10,156件から580件(5.7%)の増加、州都レシフェ市では4,613件が発生し、前年同期の4,575件から38件(0.8%)増加した。殺人事件の増加については、60%以上が麻薬密売の紛争が動機であり、警察による掃討作戦の増加、取り締まりの強化への反発等が影響していると思われる。
 
当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、住民や通行人が流れ弾によって死傷するといった事案も度々発生しているため、万が一銃声が聞こえたらその場から離れる、移動の際には頭を低くして車両や建物の陰に隠れながら行うなどの自己防衛を心がけたい。依然として治安が改善しているとは言えず、特にスマートフォンを狙った強盗事件は増加している。
 
最近では外国人旅行者の被害報告も増加しているため、屋外でのスマートフォンの使用は非常に危険である。従来どおり貴金属や高級時計を身につけての外出、多額の現金を持ち歩くなどの行為も非常にリスクが高く、必要以上は持ち歩かない、どうしても必要なときは分散して所持する等の対策は必須である。危険を感じた場合には、その場から早急に立ち去る、人気の少ない場所には近づかないことが肝要であり、万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従う、など心がけることで、受傷する危険を軽減することができる。

 
徒歩、運転含めGPSナビ(スマホナビ)の指示には注意が必要である。ナビ指示に従い移動していると知らないうちに治安の悪い地域に入り込むことがある。また夜間の外出は移動手段に関わらずあらゆる危険に遭遇する確率が高まるため、外出する際は目的地、移動手段等の計画を立て行動することが肝要である。
観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。
 
渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。

 

2 レシフェ市及びペルナンブコ州おける犯罪事例(7月~9月)

(1) 7月1日未明、レシフェ市ムスタルヂーニャ地区で男性が銃で撃たれて死亡しているところが発見された。
 
(2) 7月13日夜、レシフェ市ボアビアージェン地区で男性が銃で撃たれて死亡した。三人の犯人は逃走したが、そのうち二人が逮捕された。
 
(3) 7月22日未明、レシフェ市ジキア地区で男性が銃で撃たれて死亡しているところが発見された。
 
(4) 7月25日時間不明、レシフェ市ボンジ地区で配車サービスの車に乗車中の客の男性二人が銃で撃たれて死亡。
 
(5) 7月28日夜、レシフェ市アフォガードス地区で元軍警察官がバーを出ていたところ銃で撃たれ、病院へ搬送されたが死亡。犯人は彼の銃を奪って逃走。
 
(6) 8月9日夜、ヴィトリア・デ・サント・アンタウン市で軍警察官が車のタイヤ交換をしていたところ、強盗に遭い銃で撃たれ、病院へ搬送された。
 
(7) 8月17日朝、レシフェ市ボアビアージェン地区のナイトクラブで銃で撃たれ三人が怪我。
 
(8) 9月3日未明、レシフェ市コルデイロ地区の商店街で車から銃を乱射した犯人により二人死亡、一人怪我。

3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(7月~9月)

(1)セアラ州
ア 7月29日時間不明、カウカイア市の宿泊施設前で観光客の男女が強盗に遭い女性が死亡、男性が病院へ搬送された。
 
イ 8月22日未明、フォルタレザ市モウラ・ブラジル区で観光客が地図アプリに指定されたルートで移動したところ、犯罪グループが支配する区画に入り射殺された。
 
ウ 8月22日夜、フォルタレザ市でセアラ州連邦大学の学生が強盗に遭い殺害された。
 
エ 9月8日昼、フォルタレザ市バーハ・ド・セアラ区で男性3人が銃で撃たれ、1名は現場で死亡、1名は病院に搬送されたが死亡、1名は容態不明。
 
 
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 8月5日昼、ナタール市でスーパーの警備員が装甲車への強盗の際、犯人に銃で撃たれ死亡。
 
イ 8月19日午後9時頃、ナタール市のパジュサラ区で武道の教師が勤務先のジムの前で銃で撃たれ死亡。
 
 
(3)パライーバ州
ア 8月1日未明、ジョアンぺソア市で元軍警察官が強盗に遭い、家族の前で銃で撃たれ死亡。
 
イ 8月14日午前4時頃、ジョアンぺソア市のガソリンスタンドへの強盗事件で犯人が爆発物を使用したため、爆発やガソリン漏れ発生。犯人は駆け付けた警察と交戦の末、逃走。
 
 
(4)アラゴアス州
ア 7月23日夜、マセイオ市ペスカリア区の高級ホテルの前で二人組の強盗に男性が撃たれたが命に別状はない。犯人は被害者のバイクを盗み逃走。
 
イ 8月24日朝、マセイオ市タブレイロ・ドス・マルティンス区で屋台主の男性が刃物で刺され殺害された。犯行の動機は不明。
 
ウ 8月26日夜、若い男性がマセイオ市ピラール区で殺害された。犯人も動機も不明。
 
 
(5)セルジッペ州
ア 7月26日夜、アラカジュ市ルジア区のコインランドリーで男性が射殺された。
 
イ 8月1日夕方、アラカジュ市で17歳の男性が馬車に乗っていた男性二人組に射殺された。
 
ウ 9月7日夜、ノサ・セニョーラ・アパレシダ市でビリヤード大会での口論の末、男性3人が男性6人を銃で殺害。
 
 
(6)バイア州
ア 8月8日の夜、スイスの観光客がサルバドール市で強盗未遂の末、頭を撃たれた。犯人は警察と交戦し翌日死亡。観光客は重傷で病院に運ばれたが回復している。
 
イ 9月18日の夜、サルバドール市でサンバのミュージシャンが車に乗った犯人に射殺された。容疑者は逃走した。
 
ウ 9月19日の夜、サルバドール市で男性が自分の兄が強盗に遭う現場に出くわし、犯人に射殺された。兄に命の別状はない。容疑者は逃走した。
 

4 テロ爆弾事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

5 誘拐・脅迫事件発生状況

 管轄内における当該事件の発生は確認されていない。

6 対日感情

 対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。

7 日本企業の安全に係わる諸問題

 管轄内における当該諸問題は発生していない。

8 邦人の被害事例

  8月17日 夜中3時頃 ペルナンブコ州カマラジベ市邦人永住者が被害者となる住居への侵入強盗事件が発生した。被害者に怪我はなかった。
 
以上