海外安全対策情報の更新(令和6年度第3四半期)
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2024年に発生した殺人件数は合計3,376件で、前年の3,513件から137件(3.89%)減少し、そのうち州都レシフェ市では617件が発生し、前年の576件から41件(7.11%)の増加が見受けられました。一方、強盗事件は、州全体では45,236件が発生し、前年の45,624件から388件(0.85%)減少し、その一方で州都レシフェ市では18,926件が発生し、前年の18,457件から469件(2.54%)増加しました。殺人事件については60%以上が麻薬、違法な銃の密売に関するものですが人違いによる被害も発生しており常に周囲への警戒が必要です。
当地での犯罪の傾向としては、拳銃等凶器を使用した事案が非常に多く、時には銃撃戦に発展し、無関係な人が流れ弾によって死傷するといった事案も発生しているため、万が一銃声が聞こえたらその場から離れる、移動の際には頭を低くして車両や建物の陰に隠れながら避難するなど自己防衛を心がけたい。また、強盗件数は都市部では増加しており、特にスマートフォンを狙った強盗事件が増加している。
最近では外国人旅行者の被害報告も増加しているため、屋外でのスマートフォンの使用は非常に危険である。また貴金属や高級時計を身につけて屋外を歩く等の行動は危険である。身の安全を守る基本は危険な時間に出歩かない、危険な場所に行かないことです。万が一被害に遭ってしまった場合は絶対に抵抗せず犯人の要求に従うことで、受傷する危険を軽減することができます。
外出の際は、地図アプリの指示にも注意が必要です。地図アプリの指示どおりに徒歩で移動した結果スラム街に足を踏み入れ殺人の被害にあった事件も発生しています。観光などで訪れる際には事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地区や場所に関する知識を得ておくことが重要です。
また、当地では交通状況も非常に悪く、速度超過や信号無視、運転時の不注意等による交通事故が多発しており、死傷者の数は年間42500件(ペルナンブコ州/2024年)を超えています。通勤・帰宅ピーク時の交通渋滞はブラジル国内で最悪の状況となっており、異常な交通渋滞は不要なトラブルの元にもなっている。近年、低価格なバイクタクシー等の浸透により交通事故が増加しています。
渡航情報(危険情報)※についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」を継続しており、生活する上で常に間断無き警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレーザ大都市圏も同様に「十分注意してください」を発出中。
2 レシフェ市及びペルナンブコ州おける犯罪事例(10月~12月)
(1) 10月3日午後7時40分、レシフェ大都市圏ジャボアタウン・ドス・グアララペス市で銃を持った男性2人がバスターミナルから出ていたマイクロバスに乗り込み、乗客を全員追い出した後、運転手を脅し通常ルートの反対方向へ発進させた。運転手の遺体が発見されたが、犯人は逃亡した。
(2) 11月14日午後10時30分、レシフェ市サント・アントニオ区で仕事帰りの男性が強盗に遭い携帯電話と鞄を奪われ、刃物で刺されて死亡した。現時点で容疑者の手がかりはない。
(3) 12月20日昼、レシフェ市ピナ区で男性が銃で撃たれ、病院へ搬送されたが亡くなった。犯人、犯行の動機は不明。
(4) 12月25日時間不明、レシフェ市トホンエス区で女性が息子を庇って銃撃を受け死亡した。息子も撃たれたが、病院に搬送され命に別状はない。犯行の動機は不明。
3 管轄州における殺人・強盗等凶悪犯罪に係わる事例等(10月~12月)
(1)セアラ州
ア 11月5日夜、フォルタレザ市パルケ・サンタ・ホザ地区でカップルが配車アプリの運転手を強盗の末殺害した。犯人は2日後に逮捕された。
イ 11月19日夜、フォルタレザ市グランジャ・リスボア地区で若者が射殺された。加害者は犯行を自分のスマートフォンで撮っていたが、逃亡して未だに捕まっていない。
ウ 12月17日夜、フォルタレザ市プラナルト・ピシ地区で配車アプリの運転手が地域を仕切る犯罪組織メンバーに射殺された。犯行は誤解によったものとされているが、区内の市民が情報提供を渋っており調査は難航している。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 11月24日午前7時、ナタール市イガポー地区で3人組の強盗犯が開店中の店に押し入って店長含む従業員8名を人質に取った。市民の通報で警察が駆け付け2人は捕まったが、店の外に待機していた犯人は逃亡した。
イ 12月7日未明、モソロ市ドム・ジャイメ・カマラ地区で男性が強盗に遭いバイクを盗まれたが、現金を持っていなかったため犯人に刃物で刺され死亡した。
(3)パライーバ州
ア 10月23日午前6時15分、ジョアン・ペソア大都市圏のカベデロ市で出勤中の男性が射殺された。犯人は逃亡した。
イ 10月24日未明、ジョアン・ペソア大都市圏のクルス・ド・エスピリト・サント市で三名が自宅付近で射殺された。犯人と動機は不明。
ウ 10月29日夜、ジョアン・ペソア市ジョセ・アメリコ地区で警察官がジムに通っていたところ強盗に遭い、自分の銃で反撃したところ、撃たれた。同行していた妻が夫の銃を使い容疑者一名を撃ち、負傷した犯人達は乗っていたバイクを捨てて逃亡した。
エ 12月27日昼、ジョアン・ペソア市エシュペディシオナーリオス地区のレストランで集団強盗が4人の容疑者により行われた。死亡や負傷は報告されていない。
オ 12月30日午後7時、ジョアン・ペソア市プライア・ド・ソル地区で男性が刃物で殺害され、遺体が燃やされた。犯人はすぐ逮捕され罪を認めたが、動機を明かしていない。
(4)アラゴアス州
ア 11月30日夜、ウニアウン・ドス・パウマーレス市で配達員が荷物を届けに行ったところを待ち伏せされており、バイクに乗った2人組に射殺された。犯人は逃亡した。
イ 12月27日午後10時半、マセイオ大都市圏内サンタ・ルジア市で男性2人が車に乗った5人組に銃撃され、一名が死亡し、一名が病院に搬送された。犯人達は未だに捕まっていない。
ウ 12月30日夜、マセイオ大都市圏内メシアス市で男性が撲殺された。犯人および動機は不明。
(5)セルジッペ州
ア 10月21日朝、アラカジュ市繁華街で高齢者が駐車場にいたところを、2人の犯人に車の運転を強要され、途中で心臓発作を起こし停車中の車にぶつかった。被害者は死亡し、犯人は現場から逃亡したが、1人はその日の夜に警察に出頭した。
イ 11月26日昼、アラカジュ市で長距離バスに3人組の強盗犯が乗り込んだ。乗客の持ち物を回収したのちバスから降車し、逃亡した。警察は容疑者のめぼしは付いているが、調査に地域の住民の協力を求めている。
(6)バイア州
ア 10月7日昼、カマサリ市で音楽グループに所属していた若者2人が射殺された。他二名も流れ弾に当たり病院へ搬送されたが容態は不明。犯行の動機は地域を仕切っている犯罪組織の誤解だとされている。
イ 11月4日時間不明、サルバドール市ピラジャー地区で労働者2人が勤務先で行方不明になった。死亡は確認されているが、遺体は未だに発見されていない。物件オーナーが容疑者として挙げられたが、国外へ逃亡した。
ウ 12月18日夜、サルバドール市の自宅で遊んでいた子供が犯罪組織同士の交戦の流れ弾に当たり、頭を撃たれ死亡した。2024年には子供に流れ弾が当たる事件が6件発生しており、この件は年内初の死亡例となった。
4 テロ爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。5 誘拐・脅迫事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は確認されていない。6 対日感情
対日感情は良好であり、特段の変化は見られない。7 日本企業の安全に係わる諸問題
管轄内における当該諸問題は発生していない。8 邦人の被害事例
管轄内における当該諸問題は発生していない。以上