海外安全対策情報の更新(令和6年度第4四半期)
1 社会・治安情勢
ペルナンブコ州社会保護局の発表によると、ペルナンブコ州において2025年1月から3月の期間に発生した殺人件数は合計860件で前年度同期の989件から129件(約13.05%▼)減少、州都レシフェ市では158件発生し、前年同期の220件から62件(約28.19%▼)減少した。一方、強盗事件は、ペルナンブコ州全体では11,534件が発生し、前年同期の11,549件から15件(約0.13%▼)減少、州都レシフェ市では5,166件が発生し、前年同期の4,650件から516件(11.10%▲)増加した。殺人・強盗事件いずれもペルナンブコ州全体では減少したものの、州都レシフェ市では強盗事件が大幅に増加しているため、外出の際は常に自己防衛を心がけたい。近年は外国人旅行客の被害報告も増加しており、屋外での電子機器(スマートフォン、タブレット端末等)の使用は非常に危険である。また、車両渋滞や信号待ちの際にガラスを破り携帯電話を盗まれる等のケースも発生しているため、車両移動中も油断してはいけない。従来どおり、貴金属や高級時計を身につけての外出や多額の現金を持ち歩く行為は非常にリスクが高く、どうしても必要な場合は、分散して所持する等のリスクヘッジは必須である。また、ペルナンブコ州都レシフェ市はスラム街が点在しており、知らないうちに危険地域に入ってしまう可能性があるため、観光等で訪れる際は事前に現地の危険情報を確認し、被害の多い地域や場所に関する知識を得ておくことが重要である。
※渡航情報(危険情報)についても、ペルナンブコ州レシフェ大都市圏は「十分注意してください」(渡航危険レベル1)を継続しており、生活する上で常に間断なき警戒心が必要である。
※当館管轄州では、他にバイア州サルバドール大都市圏とセアラ州フォルタレザ大都市圏も同様に「十分注意してください」(渡航危険レベル1)を発出中。
2 ペルナンブコ州における犯罪事例(1月~3月)
(1)1月12日未明、レシフェ市区ノヴァ・デスコベルタ地区で犯罪組織同士の抗争が発生し、その場に居合わせた無関係な者を含む7人が殺害された。
(2) 2月10日午後、レシフェ市クラード地区の商店街で強盗が発生。犯人4人は店の現金及び駐車場に停車されていた車を盗み逃走したが、警察との抗戦により、犯人のうち1人は死亡、3人は逮捕された。
3 ペルナンブコ州以外の管轄州における犯罪事例(1月~3月)
(1)セアラ州
ア 2月21日未明、フォルタレザ市ボン・ジャルジン地区の公道で男性が強盗により殺害された。犯人2人は翌日、警察に逮捕された。
イ 3月24日夜、フォルタレザ市ジャングルス地区で車内にいた女性2人が射殺された。警察の推測では、犯罪組織が仕切る区域内で車の窓を閉めた状態で通行したため、対抗組織と誤認され襲われた可能性が高いとのこと。
(2)リオ・グランデ・ド・ノルテ州
ア 2月3日夜、ナタール市ラルゴ・ド・アテネウ地区でサン・ペドロ市(ナタール市中心部から約60km)の元市長 が犯人3人に囲まれ射殺された。3人のうち2人は逮捕され、1人は逃走した。
イ 3月26日夜、ナタール市マエ・ルイザ地区の大通りで男性が射殺された。当日は当事件を含め、3件の銃撃事件が発生した。
(3)パライーバ州
ア 1月25日未明、ジョアン・ペソア市ポルタル・ド・ソル地区でガソリンスタンドの従業員が何者かに殺害された。犯行の動機及び犯人は不明。
イ 3月14日夜、ジョアン・ペソア市マンガベイラ地区の飲食店で食事をしていた男性が犯人2人に殺害された。当日は同市内で1時間以内に3件の殺人事件が発生した。犯行の動機及び関連性については不明。
(4)アラゴアス州
ア 1月3日夜、マセイオ市シダージ・ウニベルシタリア地区で男性が、住宅に侵入した犯人4人に射殺された。犯行の動機は不明。
(5)セルジッペ州
ア 2月4日深夜、アラカジュ市アタライア地区のサントス・ドゥモン通りで男性が刃物で刺され死亡した。
(6)バイア州
ア 2月27日夜、サルバドール市のカーニバルで自撮りをしていた参加者が携帯電話を奪われた。被害者が逃走した犯人を追いかけようとしたところ犯人の仲間に背後から殴られた。被害者の命に別状はなかった。
イ 3月18日夜、サルバドール市ファゼンダ・グランデ・ド・レチーロ地区で犯罪組織の銃撃戦を通報したとされる男性が自宅で射殺された。